蛾次郎に癒される
震災から1週間以上経ちましたね・・・。
そろそろ、被災地も全国のみなさんも、精神的緊張の糸がブチッと切れ初めて、
体調不良を起こしている人もいるのではないのかな。
ちょび家も、夫くんが「年度末+交通の乱れ」というわけで、
震災当日からほとんどといって良いほど、不在&帰宅できずでした。
なんか日がな誰とも接触が無いっていうのは、こういう時結構しんどい。
「仕事に向かわねば」も無ければ、「家族のためにご飯を作らねば」もないと、
冷蔵庫に先に食べるべき食品もあるから、買い物に行く理由も無く。
友達に電話をかけて長話している場合でもないし、
計画停電!って思って、布団に包まって防災ラジオ聞いてたら、
直前になって停電中止になっていたことも知らずだったり。
トイレ入ろうとした瞬間、ご飯作ろうと瞬間、シャワー浴びようとした瞬間
余震が発生・・・というのが何日か続いて、断念することしばしば。
一人暮らしのおばあちゃんのほうが、よっぽどコミュニティがありそうだ。
今はまだ、皆さんが「こんなことしていいのかな?」
「不謹慎じゃないかな?」という空気を読みながら、街に緊張感がありますね。
金曜に、久しぶりに街に出てみたけど、シャッター閉まってたり、
お店が真っ暗だったり・・・商店街で談笑するなんて光景はない。
何とも言いがたい気持ちで歩いていたら、小さな花屋に目が行きました。
遠巻きからもわかるその色!
ヲイラが一番好きな花! 「忘れな草」でした!
そうだった・・・今の時期に出回るんだったよ・・・。
行きはそのまま通り過ぎたんだけど、帰りに立ち止まって眺めていました。
すると、そのお店から「佐藤蛾次郎」みたいなおっちゃんが出てきて、
俄かにはその人がお店の人かわからなかったのだけど、
どうも蛾次郎似のおっちゃんの店のようだった。
買おうかな?って思って、「あの・・・」と声をかけたら、おっちゃんが
「その花はな“忘れな草”ってんだぜ?」って言うので、
「ぁぁ・・・ハイ、知ってます。忘れな草好きなんです(*´ω`*) 」って答えたら
「おおそうか~・・・好きなのか~・・・これからいっぱいつぼみが出てくるぞ!
好きなの選んで良いからな!」って。
おっちゃんにお代を渡すと、「ん?釣りいくらかな・・・」っていうから
「60円・・・かな?」って言ったら、
「お!すごいな、でかした・・・ねーちゃん!」って、おっちゃんが笑った。
震災に関する会話は、何一つ交わさなかったけれど、
誰も花を買って帰る人がいない雰囲気のところに、6株花を買いに来た客。
「これからどんどん花が咲くからな!楽しみにしとけ~」っていう
おっちゃんの言葉には、
何も言わないけれど、花を買ったヲイラの心を察してくれたような優しさが
こもっているのを感じたし、互いに大事なことを確認できたような気がして
嬉しかった。
帰ろうとしてふと顔をあげると、そこには3組のお客さんが花を買おうとしていて
おっちゃんは急激に忙しくなっていた。
きっとこのお客さんたちも、ヲイラと同じ気持ちで花屋さんを
遠くから眺めていたのだろう。
家に帰って寄せ植えして、玄関の前に飾りました。
同じマンションの人が、少しでも和んでくれると良いな。
東北の地に、みんなを和ます蕾が芽生えることを祈って、
長期にわたる復興への応援を、絶やさぬよう、やれることをやっていこうと思う。
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