最古の石彫獅子
お正月休みの南部ドライブの際、観光ガイドに小さく載っていて
なんだか知っているようで行ったことがなかったところの看板を発見。
矢印をたどって行って見ると、どうやらそこは昔
「城(沖縄では“ぐすく”と読みます)」があったらしい、ちょっとした丘になっていました。
「勢理(じり)城」があったのですね。
日陰が涼しい階段を登っていくと、ベンチがあってちょっと休憩できる
小さなスペースになっていました。
そこに静かに立っていたのは、
「富盛の石彫大獅子(ともりのせきちょうおおじし)」
現在のシーサーとは、ちょっと違う感じですね。
なんでも、300年以上前、ふもとの集落は火災が耐えなかったそうで、
「火除け」のために、村の守り神として立てられ、
それ以来続いていた火災がおさまったのだそう。
この「村落タイプ」の石彫りのシーサーとしては、
県内で「最大・最古」のものらしい。
石で出来た最古のシーサーがあるという情報だけ頭に入っていたのですが・・・。
顔つきも凛としていて、かっこいいです。
最大、という大きさは、高さ1.54メートル!
ちょび夫と並んでもこんなに大きいよ~!
で、家に帰ってきて改めて調べてみたら、
この獅子は歴史の証人なのですね。
先の沖縄戦の際、丘になっていて城址に立っていた大獅子は、
アメリカ兵の弾除けにされていたのだそう。
(画像お借りしました)
とても同じ場所だとは思えない光景ですね。
しかしながら獅子は、沖縄が緑生い茂る城址に戻るまで、
ずっと静かに見守ってきたのだな。
改めて大獅子の写真を見てみたら、
とても痛々しい銃痕が残っていました。
*左下に傷がありますね
今日も生き証人の獅子は
集落の安全を、丘の上から静かに見守ってくれています。
大切にしなくてはいけないですね。
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コメント
この沖縄戦の写真は何度か見たことあったけど、
まだあるんだなんて、知らなかった~。
ぜひ、子ども達に伝えていきたいことだなぁ~。
投稿: ぱぴ子 | 2010年1月21日 (木) 21:57
この顔と似たミニシーサーが博物館にいるよね。
それにしてもほんとに大きくて守り神のようなシーサー
きっと他にもたくさんの石造りシーサーがあっただろうに・・
アメリカ軍の弾避けになってる写真見ると
沖縄でほんとに戦争あったんだなぁって悲しくなるね・・・
投稿: しーぽん | 2010年1月21日 (木) 22:30
300年以上も前!すごい。
そしていろいろ見てきたであろうその歴史の重さが
ひしひしと体からにじんでる空気も凛とした写真から伝わってきます。
また天気が良くて木漏れ日のあたる平和なこの写真と
アメリカ兵が写る写真とのギャップも感慨深いものがあるね、俺も実物見てみたいなあ。
投稿: buzz | 2010年1月22日 (金) 00:15
>ぱぴ子さん
どこの戦争でも思うんだけど、
そこの国の人たちがはるか昔から大切に崇めてきたものが
平気で壊されたりする瞬間を目にすると、ほんと胸が痛むよ。
琉球はほんとに多くのものが壊されてしまったから、これとても貴重だよね。
>しーぽんさん
石彫りのシーサーって結構好きなんだよね。
城址だったから、戦争当時はむき出しで立ってたんだろうか?
私、こっちに来る前いろいろ沖縄戦のこと調べてたんだけど、
自分が住んでる場所が激戦地だった・・・って写真で見て、
かなりショックだったなぁ・・・。
一度シュガーローフに登ってみようかな・・・。
>buzzくん
300年前って何時代だ?って検索してみたら
元禄時代あたりだ。
綱吉が生類憐みの令を出してた頃。
・・・って考えると、その当時の琉球の景色はどんなだったんだろうね。
夫くんとのツーショットは何気に撮ったんだけど、帰ってきてから同じアングルのこの写真を見てショックだったなぁ・・・。
しかし、崩壊しないで今も残っている大獅子の
強い意志のようなものを感じるわ。
投稿: 住人:ちょびすけ | 2010年1月22日 (金) 14:18