« 神の島へ 前編 | トップページ | 今年もやめられない・・・。 »

2010年1月13日 (水)

神の島へ 後編

昨日の記事(前編はこちら)に引き続き、

神の島「久高島」めぐり日記、後編です。

 

聖域「イシキ浜」を眺めた後は、星の砂がある「うぱーま」浜です。

久高島で一番広い砂浜。

       1

早速「星の砂」を探してみました。

・・・探さずとも、一すくい目の砂の中に、すぐ発見!

2
                    *親指付け根あたりに二個あるけど、見えないね。(笑)

ではでは、もう少しアップの写真を。

        3

きれいな☆型を夫くんが見つけました。

本当に、さくっと適当にすくっただけで、必ず星の砂がありますよ。

(昔よく、瓶に入った色つきの星砂、お土産にもらったなぁ!)

実は、生き物だって知ってましたか?  星の砂については こちら

 

「うぱーま」を過ぎると、島の北端まで一本道となります。

       4

これほんと、真夏だったら徒歩は大変な道だね。(;´▽`A``

 

 

延々まっすぐな道を歩いた先は、久高島の最北端。

「カベール岬」です。

琉球の創世神「アマミキヨ」が降り立ったといわれている場所で、

(みずのえ)の日に、この場所から神様が馬に乗って島の廻りを

巡視するといわれているのだそう。

       5
           *神事に使ったのか、岸壁に白い丸石が置かれていました。

向こうに見えるのは、沖縄本島です。

 

また一本道を戻り、今度は島の西側の外周路を歩きます。

       6

「ロマンスロード?!」

しばらく歩いて、なるほど納得。

見晴らしのいいスポットがいくつかありました。

7

海がきれいですね~!

本島もより一層、近く見えます。

本島の南城市に「ニライカナイ橋」という橋があって、

南部の絶景ポイントでもあります。

Nira
                     *これがニライカナイ橋。 左端に久高島が見えますね

いつもは本島側から、久高島を眺め、

「ああ・・・あの向こうにニライカナイがあるのかぁ・・・」と感慨にふけるのだけど

久高側から、肉眼でニライカナイ橋発見!

      9_3

本島から眺めると、久高は遠く小さい島に感じるのだけど、

久高から眺める沖縄本島は、こんなに近く、大きく見えるんだなぁ~!

海もとても綺麗です。夕日の見えるスポットでもあるようです。

       8

 

さて、この先を進んでいくと、久高島でもっとも神聖な場所だと思われる

場所へ。

外周道路のちょっと小道を入ったところにあります。

Dc0110118

一見、林のように思いますが・・・

10

「うぷうがみ(フボー御嶽)」という場所。

琉球七大御嶽(うたき)の一つ。

       11

重要な祭祀が行われ、先祖の魂が宿る聖域です。

首里城のある「首里」と、「玉城(たまぐすく)」に向かって

拝む場所がありますね。

 

「男子禁制」の場所ですが、今現在は島の人であろうがなんであろうが、

「神女」以外はなんびとたりとも入ることが出来ないそうです。

       12

「立入禁止」の小さな看板に矢印がついていますが、

その横にある岩までしか入ってはいけません。

「御願(うがん)=お祈りする」場合も、ここまでしか許されません。

       13

沖縄本島にも聖域がたくさんありますが、観光スポットとして有料で

見学できる場所もあったりして、

久高島が現役で祭祀を執り行っている、神聖な島なのだなぁ・・・

と改めて感じさせられる場所でした。

 

ひたすら西側の道を歩いて、集落に戻ってきました。

14

久高の古民家は屋根瓦がちょっと変わっていました。

「屋号」なのでしょうか?

それぞれの家で、異なる文様が入っているんですよ。

15
                       *瓦自体の形も、本島と違いますね

 

18
                        *可愛く刈られた庭木がありましたよ

 

どんなに小さな島に行っても、必ずあるのは・・・こちら、

       16

ちょっと一息つけるテーブルと椅子が置いてあるのが、

島ならでは、ですね~。

塀の上に乗っているのは、魔除けの貝です。

17

どこのお家の塀にも、ちゃんと貝が置いてありました。

 

綺麗で立派な「小・中学校」もあります。

19
                           *学校の門にもシーサーさぁ

 

集落の中にも、いくつか重要な建物がありました。

「外間殿(ふかま)」・・・太陽・月・海の神様など七神が祀られ、
              正月の行事などが行われる場所。

Dc0110325

 

「大里家(うぷらとぅ)」・・・五穀の神様が祀られています。
               誰も住んでいませんが、拝殿になっています。

20

 

 

「御殿庭(うどぅんみゃー)」・・・右はシラタル宮、
                    左が神アシャギ(村の神を招いて祭りを行う小屋)

Dc0110312

左手にはイラブー(うみへび)の燻製所があり、香りたっていました。

21
                  *久高のイラブーは琉球王府御用達の最高級品なのだそう。

 

 

       22

ゆっくりぐるっとまわって、2時間半くらい歩いたでしょうか・・・。

お腹もぐーぐー鳴っていたので、集落の数少ない食事処で

昼食を。

 

「牛汁」を頂いてみました。

23

ウコンが練りこまれた黄色い麺。

牛肉と牛の胃袋が乗っています。

たっぷりの「おろし生姜」を乗せて食べると、身体もぽかぽか暖まります。

もずくや、アーサなども天ぷら盛り合わせも食べました。

25

そうそう!

そばに、刺身の小皿がついてきましたが、そこになんと

昨日の記事で書いた、麗しきおめめの「ティラジャー(コマ貝)」ちゃんが!!

24

可愛いといいながら・・・しっかり食べちゃいました。(笑)

 

 

沖縄本島も、琉球王国の独特な文化があって、

へぇ~!と住んでいながらも驚くことがたくさんありますが、

久高島はさらに独自の制度などがあることを知り、大変興味深かったです。

住民には土地を所有するという概念はないそうで、

土地は全部「字」が所有し、それを借りているという形になっているのだそう。

 

島に来てみる前は、聖域がたくさんあるので(男子禁制の場所も)

なにか「拒まれる」」ような感覚になるだろうか・・・と、

とても慎重な気持ちだったのですが、実際行ってみた感想としては

祭祀が行われている時以外は、いたって静かで穏やかな島だということ。

海ぶどうの養殖場もあったし、

そこにはちゃんと「普通の生活」がありました。

 

そう感じたのはきっと、久高の信仰はより自然と結びついていて、

聖域である場所は、おそらく島の人に聞かなければ

気づかないくらい自然の中に溶け込んでいるような場所にあるのでしょうね。

実際、地図に記載されていても

「どこにあった?」っていうものがいくつもありました。

 

無謀な行動さえとらなければ、誤って聖域に立ち入ってしまうなんてことも

ないように思いました。

本当に、どこにあるのかわかりませんでしたから。

(外周道路に面してはいないのでしょう)

 

ドキドキしながら、ちょっと身構えて渡りましたが、

自分にはとても心地のよい空気の、静かでのんびりした

素敵な島でした。

どうかこの島が、いつまでもこのまま大切なものを守っていけますように・・・。

                                      おしまい。

26

★久高島 概要

|

« 神の島へ 前編 | トップページ | 今年もやめられない・・・。 »

コメント

神の島に行ってきたんですね~。
近くの津堅島は行ったことあるけど、久高島はまだ。
子供たちがもうちょっと大きくなって、話を理解できるように
なったら行ってみたいな。
あっ!でも船でしか行けないんですよね~。
私、船酔いひどいんですよ~
それがなければなぁ~。。

投稿: ぱぴ子 | 2010年1月13日 (水) 13:05

いつも写真の先にちょび夫くんがいるのが面白いです、
ズンズンとマイペースで行っちゃうカンジ(笑)?
俺も久高島に「近い」という理由だけで行ってみようと思ってたんだけど
調べれば調べるほど遊びに行くところではなさそうな、、って印象を持ってますた。
でも間違ったことをしなければ大丈夫なんだね、、って思ってもやっぱりなかなか^^;
機会があればいずれ訪れてみたい島なんだけど。

投稿: buzz | 2010年1月13日 (水) 19:57

この二日間でちょびさんのおかげで久高島に行ったような気分。
ありがとう~
そそそイラブーが獲れる島なんだよね・・
牛汁じゃなくてイラブー汁食べてほしかったなぁ
まだその汁だけは未体験なんで・・

投稿: しーぽん | 2010年1月13日 (水) 21:33

私は久高島に行ったことないけど、
なんだか色んな写真を見てると行った気分になりましたよ!
実は昨年の夏、内地から友達が久高に来てて、会いに行く予定が
高熱を出して、ドタキャンしてしまいました・・。
インフルじゃなかったけど、、突然の高熱だったので、
「久高に行っちゃいけないサインなのか?」なんて、、思っちゃいましたよ

投稿: ぐらっち | 2010年1月13日 (水) 21:36

久高島の存在を初めて知りました。
この二日間で久高島に行った気分にさせてくれたよ。
そんな神聖な場所だと、なかなか足を踏み入れにくいけど、
気持が清らかになりそうだね。
星の砂って生き物だったんだ!?
知らなかった~。
子供のころ、小瓶に入った星の砂をずっと眺めてた記憶があるわ。

投稿: ぴと@ | 2010年1月14日 (木) 00:04

>ぱぴ子さん
そっかそっか、船酔いのひとは短時間でも厳しいもんなぁ。
あ、でも私も船酔いするタイプで、いつも酔い止め飲むんだけど、
今回全く飲まずに、結構上下に揺れたけど大丈夫でした!
15分だから、大丈夫かも!?
そうですね~、子供たち的には
「木が生えてるだけね・・・」って思っちゃうかも。(;´▽`A``

>buzzくん
そう、私が何ショットも写真撮って「あ~・・・夫が入ってしまう・・・」とフレームアウトするのを待ってると、ものすごい間が開いてしまって、夫くんのコンデジには豆粒みたいにあとからもっさり歩いてくる私が、めっさ写ってるっていう感じ。(爆)
私もなんだかんだでやっぱり「やたら行ってはだめ?」って思って
今まで行ってなかったんだけど、
やっぱり久高の崇高さも時代の流れに消え去って行ってるものがいっぱいあるのを今回知ったのね。
だから、もしかしたら完全に観光地になってしまう前に行ったほうがいいかもしれないよ。気が向いたらね。(*´∇`*)
ちなみに、本島のスポットのほうがゾクゾクっていたしました・・・。
入れちゃうからね。 

>しーぽんさん
イラブー汁はなかったよ~!
久高の燻製は高級品らしいから、島では食べないんじゃないかなぁ。
HPみたら、そのうちイラブー漁体験ツアーみたいなのをやる予定みたいなんだ。
なんかさらに観光地化の気配がするよ~・・・(;´▽`A``
 
>ぐらっちちゃん
高熱出ちゃったんだ~!
それはタイミングではなかったのかもしれないね~。
身構えていったけど、まったく拒まれてる感じはなかったなぁ。
久高は、本島のスポットみたいに入れたりしないので、
普通に歩いてる分には特に何も・・・。
って、私が鈍感なだけかもだけど。(;´▽`A``
 
>ぴと@
久高は、南部を観光してると会話に欠かせない場所だなぁ。
うん、なんか空気が重いとかじゃなくて、
安心する感じだったなぁ、私はね。
神社とか行くと、気持ちがしゃんっ!とするじゃない?
あんな感じ。清々しいっていうかね。
星の砂、竹富島にも浜があって、夢中で探しまくったよ~。
いっぱいあるんだけど。(笑)

投稿: 住人:ちょびすけ | 2010年1月14日 (木) 11:51

この記事へのコメントは終了しました。

« 神の島へ 前編 | トップページ | 今年もやめられない・・・。 »